




腸内環境とカラダの関係
善玉菌と悪玉菌のバランスは、病気や老化、肥満にも関係しています。
腸内環境は、年齢によっても影響を与えますが、それ以外の要因でも腸内細菌のバランスが変わってきます。飲酒、ストレス、偏った食生活、抗生物質などにより、善玉菌が減り、悪玉菌が増えることがわかっています。
若い人でも、食生活の偏りやストレスなどで、高齢者と同じような腸内環境となる可能性もあるということ。高齢者でも、腸内環境を整えることで、若い頃と同じような抵抗力をつけることもできるということです。
また、風邪や口内炎、便秘・下痢などにかかると、ビフィズス菌などの善玉菌が減り、大腸菌などの悪玉菌が増えてしまいます。その結果、ますます体調が悪くなるという悪循環に。
腸内の環境は免疫の60~70%のカギを握ることが近年の研究でわかってきているため、腸内環境を整えておくことで、これらの病気を防ぐことにもつながるのです。
また、抗生物質だけではなく、ステロイドホルモン、免疫抑制剤、放射線治療などにより、病原性菌を増加させることもわかっています。
<食物繊維の大きな働き>
1.食物繊維は悪玉菌を減少させる
腸内環境を悪化させて病気を引き起こす原因にもなる「悪玉菌」を減少させる働きがあります。特に、高脂肪食を摂る人は悪玉菌が増殖しやすいため、食物繊維をしっかり摂ることが大切です。
2.食物繊維は腸内の有害物質を減らす
腸内に含まれる腐敗産物の1つであるインドールなどの有害物質を減少させる働きがあります。特に、高脂肪食を摂る人は有害物質が増えやすいため、食物繊維をしっかり摂ることが大切です。
監修者:青江 誠一郎 先生
大妻女子大学家政学部食物学科教授 / 日本食物繊維学会 常務理事食物繊維の機能性、メタボリックシンドローム、脂質栄養、消化管機能などを専門に研究する。2010年日本食物繊維学会・学会賞を受賞。