




食物繊維はカルシウムや鉄などのミネラルの吸収を抑えるといわれていましたが、それは人が普段食べる量とかけはなれた大量の食物繊維を毎日与えた実験結果をもとにしたもので、通常食べている量の食物繊維ではそのようなことはありません。
逆に、適正な水溶性食物繊維やオリゴ糖の摂取は、カルシウムや鉄の吸収を良くすることが知られて
います。
日本人の食物繊維目標摂取量は、男性20g以上/日、女性18g以上/日。
実際の平均摂取量は、男性14.2g/日、女性14.6g/日(平成25年度 国民健康・栄養調査より)と、毎年不足が深刻な状況です。
食物繊維は、腸内環境を改善する働きのほか、血糖値の上昇抑制、コレステロールなどの脂質の上昇抑制、肥満抑制効果など、様々な健康効果が期待され、現在不足が深刻なのが食物繊維。研究結果を正しく判断することが大切です。
監修者:青江 誠一郎 先生
大妻女子大学家政学部食物学科教授 / 日本食物繊維学会 常務理事食物繊維の機能性、メタボリックシンドローム、脂質栄養、消化管機能などを専門に研究する。2010年日本食物繊維学会・学会賞を受賞。