食物繊維は腸内環境改善に大切な栄養素
あらゆる病気に関係していることが研究されています
食物繊維(Dietary Fiber:ダイエタリーファイバー)は、昔は「体に吸収されず、必要な栄養素まで出してしまう食べ物のカス」だと考えられていました。 しかし、20世紀に入てから研究が進み、食物繊維は「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総称※」とされ、体に不可欠な第6番目の重要な栄養素であると位置づけられています。
近年の研究では、上記のほか「難消化性のたんぱく質」も食物繊維と同じような働きをすることもわかってきています。
さらに、「糖質」についても加熱してから温度が冷えることで一部の性質が変わり、食物繊維と同じような働きを持つことがわかってきており、これを「レジスタントスターチ」といいます。このレジスタントスターチや、トクホ飲料などに使用されているデンプンから作られたマルトデキストリン(難消化性デキストリン)も広い意味での食物繊維に含まれます。
※植物に含まれる「セルロース」や「リグニン」、「ペクチン」、エビやカニなどの甲殻類に含まれる「キチン」およびキチンから作られる「キトサン」なども食物繊維に含まれます。これらは「ヒトの消化酵素で分解されない」という共通の性質をもっています。
食物繊維って?
監修者:青江 誠一郎 先生
大妻女子大学家政学部食物学科教授 / 日本食物繊維学会 常務理事
食物繊維の機能性、メタボリックシンドローム、脂質栄養、消化管機能などを専門に研究する。
2010年日本食物繊維学会・学会賞を受賞。
食物繊維の種類
- 【不溶性食物繊維を多く含む食品】
- 穀類、野菜、豆類のほか、エビやカニ・甲殻類の殻など
- 【水溶性食物繊維を多く含む食品】
- 昆布、わかめ、こんにゃく粉、果物、大麦、オート麦など
- ※昆布の水溶性食物繊維は粘りが強く、水溶性・不溶性をわけて測定できないため、日本標準食品成分表には総量のみ記載があります。
食物繊維が豊富な食材
食物繊維で得られるうれしい効果
食物繊維にはカラダが喜ぶ効果がたくさん!
- 1.腸内環境を改善する
- 便秘予防、美容・健康対策、肥満予防など
- 2.血糖値の上昇を抑える
- 糖尿病予防・メタボ対策、しわ・たるみ対策、肥満予防など
- 3.血中脂質(コレステロール)の排出を助ける
- 脂質異常症予防・メタボ対策など
美容・肥満対策にもつながり、メタボ予防にも効果的です。また、腸内環境の改善により、アレルギー予防や肥満予防、免疫力にも関係します。
食物繊維を美味しく効果的に摂ろう
大人の繊活プロジェクト
忙しい大人を美しく、健康にする食物繊維。
日本人の食物繊維目標摂取量は、男性21g以上/日、女性18g以上/日。実際の平均摂取量は、男性14.6g/日、女性14.3g/日、男女平均14.4g/日(平成29年度 国民健康・栄養調査 より) と、とても重要な栄養素であるにもかかわらず、ほとんどの日本人が不足しているといわれ、特に若い女性や忙しい男性では、目標量の半分程度しか摂取できていないのが現状です。
そこで、様々な健康効果・美容効果があるにもかかわらず不足している食物繊維をおいしく、効果的にとろうというのが、”繊活”です。